ブランド

2021
KADOKAWA
あらすじ
『悪人』『怒り』『国宝』――
数多の賞を受賞し、世界的にも注目を集める著者が、芥川賞受賞から20年にわたり広告で描いてきた、単行本未収録の贅沢な作品集。
エプソン、エルメス、大塚製薬、サントリー、JCB、ティファニー、日産、パナソニック……
錚々たる企業の依頼で描いてきた小説、紀行、エッセイを収録。
担当編集者ここだけの話
『犯罪小説集』が瀬々敬久監督『楽園』として映画となり、公開にあわせてシリーズ2作目の『逃亡小説集』を出させていただいた2019年。その前には『国宝』を書きあげ、休みなくお仕事をされてきた疲れからか、吉田さんとお食事を少し先にしましょうと話していたところ、明けて20年から、まさかのコロナ禍がはじまりました。なかなか会うこともままならないなか、緊急事態宣言が明けた夏頃にようやくしばらくぶりにお会いすることができました。そしてそのときにご提案いただいたのが本書『ブランド』です。芥川賞受賞後から各企業の依頼で書かれた小説、紀行、エッセイをまとめた本書は、一作一作は短いながらも奥行きを感じさせる作品集で、まさになぜ企業が吉田さんに依頼されるかがわかる一作になっています。ただ当初は、リストで掲載誌名もわからないものも多く、確認箇所も膨大で、コロナ禍で資料探しや連絡も取りづらい状況に、途方に暮れることもありました。しかし、このような状況下だからこそ、思い出深い作品になりました。ぜひお手に取ってもらえればと思います。

KADOAKAWA (Y)

『ブランド』

吉田 修一
定価:1,760円(税込)
KADOKAWA