日曜日たち
2003
講談社
講談社
自然消滅したかつての恋人をふと思い出す30歳無職の男、巻き込まれ人生を続ける早稲田卒のクラブのボーイの一大決心、暴力を振るう男から逃げるため自立支援センターにやって来た女が見つけた生きる道、そして彼らと交錯する二人の幼い兄弟。東京に暮らす5人5様の日曜日と、その日曜日のひとときに遭遇する、親を求めさまよう兄弟の様が綴られる連作短編集。誰にでも等しくおとずれる日曜日にある、都市生活者の哀しみや寂しさ、そして希望を描く。人生、嫌なことばかりじゃない。読後はそんな風に思える一冊である。
(講談社 S)