女たちは二度遊ぶ

2006
角川書店
ナンパして連れ込んだ後、そのまま居座りわられ、しかも掃除も料理も何もしない『どしゃぶりの女』。居酒屋で酩酊状態にある電車の中で見かけたうっとりするような美女のあとをつける『夢の女』。その他に『自己破産の女』や『平日公休の女』などとタイトルが付いた、まるで「出会わなかったような出会い」をした女たちを、回想する連作短編集。恋愛小説では決して取り上げられることのない、記憶の片隅に取り残されたような女たちとの、儚い時間を小説へと昇華させている。
今春、携帯動画のBeeTVで映像化され、史上最高視聴率を記録し、異例の劇場公開もされた本作。監督をつとめた行定勲さんが作品に惚れこんで実現したのですが、その思いに違わず、誰にでも訪れる日常の一場面を切り取った優れた作品だと思います。人生で繰り返す男女の十一の出会いと別れを、苦く、哀しく描いています。「すごく気に入っているんです」と吉田さんも熱く語る通り、吉田作品のエッセンスが詰まった作品集です。

(角川書店 Y)

『女たちは二度遊ぶ』

吉田 修一  
定価:500円(税込)
角川文庫

『女たちは二度遊ぶ』
 [単行本]

吉田 修一  
定価:1,470円(税込)
角川書店
TW

『和她的二次相遇』

吉田 修一
時報出版
books.com.tw
KR

『여자는 두번 떠난다』

요시다 슈이치
MEDIA2.0
kyobobook.co.kr