最後の息子

1999
文藝春秋
ゲイバーを経営するオカマの閻魔ちゃんの家に転がり込んだ“ぼく”。ほどなくして、ビデオカメラでその暮らしを撮影するようになる。収められたのは、愛されちゃってる日やへべれけの日、やけに寂しい日などなど。とはいえ基本は、昼過ぎに起きて読書や散歩三昧という「体調の良い病人」のようなヒモ生活。たまに元ガールフレンドとデートしたり、恋人を欺いたり、プチ家出を敢行したり。そんな日々を、ぼくはただただビデオで見返している…。他に九州・長崎を舞台にした『破片』、『Water』を収録。
デビュー作『Water』、文学界新人賞受賞作『最後の息子』などを収録した第一作品集。『Water』は自身の高校での水泳部員時代を投影した青春小説。その才能は群を抜いていて、一読して強い衝撃を受けました。「デビュー作にはその作家のすべてが凝縮されている」とよく言われますが、まさに極上の原石でした。辛口の選考委員をして「とても、キュートだと思いました。人の見くびり方に品のある感じ」(山田詠美)、「ナイーブでいてクール、狡猾でいて爽やか―そう、これは現代の「青春」そのものだ」(浅田彰)と言わしめた傑作です。作家・吉田修一の誕生にぜひ立ち会ってみてください。

(文藝春秋 M)

『最後の息子』

吉田 修一  
定価:530円(税込)
文春文庫

『最後の息子』
 [単行本]

吉田 修一  
定価:1,399円(税込)
文芸春秋
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