路(ルウ)

2012
文藝春秋
台湾に日本の新幹線を走らせる。国家的事業に加わった多田春香は、入社4年目で現地でのプロジェクトチームに抜擢される。彼女にはかつて、台湾で忘れられない出会いがあった…。
商社員や整備士、旧制台北高生だった老人に、日本へ渡り建築家となった台湾人。日本と台湾を舞台に、忘れられない思い、途切れなかった信頼など、人と人との確かな心のつながりが描かれた感動の長編。
台湾新幹線の着工から開業までの壮大な事業を、日本と台湾の人々の絆や個人のドラマとともに柔らかくも熱く描いた感動作。恋愛、友情、家族、夫婦、どの切り口から読んでも楽しめる、心に沁みる一文にも出会える一冊です。打ち合わせで「この人豪(ルビ・レンハオ)は素敵~」と私が言うと、「レンハオ??あ、ジンゴウですね」と、著者自ら登場人物の名前を台湾読みではなく、日本の音読みで愛着を持って語られていたのが印象的でした。『悪人』を黒吉田、『横道世之介』を白吉田とするなら、『路』は白吉田によって描かれた小説だと思います。

(文藝春秋 S)

『路(ルウ)』

吉田 修一  
定価:1,733円(税込)
文藝春秋

『路(ルウ)』

吉田 修一  
定価:670円+税
文春文庫
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『路』

吉田修一
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