「犯罪小説集」

2016
小学校の帰り道にある一本杉の前で少女が消息を絶った。
犯人は不明のまま十年の時が過ぎ、少女の祖父の五郎や直前まで一緒にいた紡は罪悪感を抱えたままだった。
だが当初から疑われていた 無職の男――豪士の存在が、関係者たちを狂わせていく……。
(「 青田 Y 字路」)
担当編集者「ここだけの話」
担当編集者「ここだけの話」
「人はなぜ、罪を犯すのか?」本書のキャッチコピーは、
初回原稿「青田  Y  字路」のお原稿をいただいた時から
、これしかないと思っていました。
『悪人』『さよなら渓谷』『怒り』という吉田さんの
犯罪小説の系譜がありますが、本書は、犯罪に搦め捕られた
人々の本質を、中編というかたちで、よりえぐり出した作品だと
思ったからです。初めてお原稿を頂戴したときには、
本当に震えがきました。自分の身のまわりにいる人や、
自分自身も、もしかしたら向こう側に堕ちていたかもしれない
、そう思わせる力が吉田さんの作品にはありますし、
読者の方々には、「なぜ罪を犯してしまうのか」、
本書でそのひとつの答えを見つけていただければと思います。
 
担当・  Y

(担当・ Y)

犯罪小説集

吉田 修一