熱帯魚

2001
文藝春秋
大工の大輔は一目惚れした恋人の真実と連れ子の小麦、そして義理の弟・光男と一緒に暮らしている。共同生活を送る擬似家族4人に、大家の大学教授を誘っての海外旅行を計画していたが、光男が旅行資金やへそくりを持って、姿を消してしまう。他に恋人の顔に、グリンピースを何度もぶつけたことから彼女が家出してしまう『グリンピース』、民宿でアルバイトをするエリートビジネスマンが、宿の女将を連れ出しドライブへ行く『突風』を収録。
表題作の他、『グリンピース』『突風』の三作を収録した第二作品集。GFの顔をめがけて、グリンピースを一粒ずつ本気でぶつける男―(『グリンピース』)。誰が読んでも嫌な男が主人公なのに、どこかで痛気持ちいいような不思議な読後感が。嘘くさい人間関係を放置しない鋭く冷徹な観察眼が冴えわたります。温厚で誰からも好かれる著者の心の奥底をのぞき見たようでもあり、凄みすら感じました。意外にも、女性読者からの支持も多い隠れた名作!「誰にでもやさしいっていうのは、誰にもやさしくないのと同じじゃないか?」(『熱帯魚』)、何気ない一文が心に響く作品です。

(文藝春秋 M)

『熱帯魚』

吉田 修一  
定価:470円(税込)
文春文庫

『熱帯魚』[単行本]

吉田 修一  
定価:1,500円(税込)
文芸春秋
TW

『熱帶魚』

吉田 修一  
新雨
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KR

『열대어』

요시다 슈이치
문학동네
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