ウォーターゲーム

2018
幻冬舎
あらすじ
三部作シリーズ(いちおう)完結編!

ダムが決壊し、濁流が町を飲み込んだ。新聞記者の九条麻衣子は被害を取材するうちに、決壊が大規模な犯罪である可能性に気づき、その夜に町を抜け出した土木作業員の男を探し始める。一方、AN通信の鷹野一彦と部下の田岡は、ダム爆破阻止の依頼を受けて奔走していた。水道事業民営化の利権に群がる代議士や国内外の企業によるテロ計画!? 情報が錯綜するなか、九条が書いたスクープ記事がAN通信の秘密を白日の下に晒すことに……。
産業スパイ“鷹野一彦”シリーズ第3弾!
担当編集者ここだけの話
本シリーズ執筆前の恒例行事となった取材旅行は、カンボジアの首都プノンペンからアンコール遺跡のあるシェムリアップまでを4泊5日で観光、いや敢行! 前二作と違う点といえば、アーティストの下田昌克氏をバディに加えた三人旅だったことでしょうか。でも取材の仕方はいつもと同じ。どこへ行くでもなく(色々行きましたが)、何を見るでもなく(作家は見てたんでしょうけれど)、町をブラブラ(これはまあいいでしょう)、喉に渇きを覚えたらビールで(おい!)、疲れたらマッサージ(おいおい!)……いいんです、そうやって空気を感じることが「場所」から物語を立ち上げる吉田さん流の執筆方法。その甲斐あって、カンボジアのシーンでは実にいい香りが漂ってきます。ただし、エピローグに出てくる河を見に行くことができなかったのが唯一の心残りです。著者最速の圧倒的展開とラストの大どんでん返し、ぜひご賞味ください。

幻冬舎 C

『ウォーターゲーム』

吉田 修一
定価:825円(税込)
幻冬舎文庫

『ウォーターゲーム』

吉田 修一
定価:(本体1,600円+税)
幻冬舎